rei harakami“[lust]”

rei harakami 

rei harakami「[lust]」
レーベル:Sublime Records
リリース年:2005年
ジャンル: Electronica


2011年7月27日、40歳の若さでこの世を去ったトラックメイカーrei harakamiの4thアルバム

機材やソフト音源などは毎年発表され、それをを用いることにより新たな表現や技法が生み出されいる。しかしその中、あえて古い機材や制限の多い機材を用いておきながら他のアーティストでは真似できない曲を作るアーティストもいる。

その一人がrei harakamiだ。彼は音源として1996年に発売されたRolandのSC-88Pro(通称ハチプロ)のみを用いて作曲を行っている。この音源自体は忠実な音が出るわけではなく、安っぽい音だ。しかしリアルではないがその音は優しく温かい音色だ。この音色を加工、独特のプログラミングにより他のアーティストでは表現できない独自の世界観を作り出している。

ジャンル的に言えばエレクトロニカが最も近い(エレクトロニカとういう括りが便利すぎるだけだが)実験的すぎずある意味テクノ的なアプローチの方が近いのかもしれない。その温かい音色を用いてchillい楽曲を制作している。どうしてもエレクトロニカもテクノも基本的に機械的であり冷たい音の方が多く、彼ほど電子音楽で温かい曲を作れるアーティストは他にいない。

穏やかな曲の数々は家で聴くのに向いており、あまりクラブ向きのが曲とは言い難いが 僕ではないが地元のDJがラウンジでかけたりもしていたがなかなか良かった。technoからエレクトロニカや他のジャンルをかけようと思った時の架け橋的な機能も果たせそうだ。

「joy」はミニマルな展開をみせる4つ打ちのテクノ風楽曲。この楽曲に限らないことだが、ディレイ(か、それっぽくプログラミングしているか)を用いての空間の埋め方が実に巧みである。

タイトル曲でもある「lust」はビートにかなり間があり、静と動の対比が面白い楽曲だ。

アルバム唯一のヴォーカル曲(歌はrei harakami自身)である「owari no kisetsu」は細野晴臣の1stアルバム「HOSONO HOUSE」収録曲「終わりの季節」のカヴァーとなっている。rei harakamiのヴォーカルもなかなかいい。ちょっと彼のフォークソングなども聞いてみたかった。露骨なMIDI音源であるため歌声など生の音が合わないような気がするがRemixワークや矢野顕子とのユニットyanokamiなどヴォーカルを取り入れた活動も見られるがこれが意外と合っていて面白い。

ついでに細野晴臣と矢野顕子によるLive映像

「come here go there」はアルバムの中でも気に入っている1曲だ。


昨年rei harakamiの作品が高音質で再販されたらしい。聞き比べてはいないものの購入するならこっち の方がいいだろう